1839年に、Baltimore College of Dental Sugery(ボルチモア歯科医学校)が設立されたのが米国での歯科医学教育の始まりでした。

植民地、開拓地のアメリカに移住する医師、歯科医師は少なく、米国にとって、不足している医師、歯科医師の育成は急務でした。

そのため、米国は、その当時の欧州では、医学、歯学教育は大学教育であったのに対して、短期(1〜2年)の養成期間のMedical School, Dental Schoolを設立しました。

学問というよりも実践的な治療方法の伝授が主体であったために、Medical practice, Dental practiceと表記するように“
Practice” つまり、「技術の向上」という単語が医療に用いられています。

ヨーロッパの植民地であったアメリカには、大学教育ではなく、すぐに役に立つ医師、歯科医師が植民地を経営していくうえで必要とされていたのです。

アメリカでは、現在も、歯と歯に関連した臨床と学問が主体であり、腫瘍は歯科学には入っていません。

一方、日本はアメリカの歯科医学教育を取り入れていたにも関わらず、ヨーロッパのStomatology(口腔科)の流れも取り入れており、日本の歯学部では口腔腫瘍の臨床と研究が盛んに行われています。