資料10【DSM-IV のPTSD診断基準】 |
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PTSDの診断基準には、1994年にアメリカで公表された「DSM-IV 精神疾患の分類と診断の手引き(医学書院)」が用いられます。以下の条件を満たせばPTSDと診断されます。 |
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A. |
患者は、以下の2つが共に認められる外傷的な出来事に暴露されたことがある。 |
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(1) |
実際にまたは危うく死ぬまたは重症を負うような出来事を、1度または数度、または自分または他人の身体の保全に迫る危険を、患者が体験し、目撃し、または直面した。 |
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(2) |
患者の反応は強い恐怖、無力感または戦慄に関するものである。
注)子供の場合はむしろ、まとまりのないまたは興奮した行動によって表現されることがある。 |
B. |
外傷的な出来事が、以下の1つ(またはそれ以上)の形で再体験され続けている。 |
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(1) |
出来事の反復的で侵入的で苦痛な想起で、それは心象、思考、または知覚を含む。
注)小さい子供の場合、外傷の主題または側面を表現する遊びを繰り返すことがある。 |
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(2) |
出来事についての反復的で苦痛な夢。
注)子供の場合は、はっきりとした内容のない恐ろしい夢であることがある。 |
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(3) |
外傷的な出来事が再び起こっているかのように行動したり、感じたりする(その体験を再体験する感覚、錯覚、幻覚、および解離性フラッシュバックのエピソードを含む、また、覚醒時または中毒時に起こるものを含む)。
注)小さい子供の場合、外傷特異的な再演が行われることがある。 |
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(4) |
外傷的出来事の1つの側面を象徴し、または類似している内的または外的きっかけに暴露された場合に生じる、強い心理的苦痛。 |
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(5) |
外傷的出来事の1つの側面を象徴し、または類似している内的または外的きっかけに暴露された場合の生理学的反応性。 |
C. |
以下の3つ(またはそれ以上)によって示される、(外傷以前には存在していなかった)外傷と関連した刺激の持続的回避と、全般的反応性の麻痺。 |
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(1) |
外傷と関連した思考、感情または会話を回避しようとする努力。 |
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(2) |
外傷を想起させる活動、場所または人物を避けようとする努力。 |
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(3) |
外傷の重要な側面の想起不能。 |
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(4) |
重要な活動への関心または参加の著しい減退。 |
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(5) |
他の人から孤立している、または疎遠になっているという感覚。 |
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(6) |
感情の範囲の縮小(例:愛の感情を持つことができない)。 |
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(7) |
未来が短縮した感覚(例:仕事、結婚、子供、または正常な一生を期待しない)。 |
D. |
(外傷以前には存在していなかった)持続的な覚醒亢進状態で、以下の2つ(またはそれ以上)によって示される。 |
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(1) |
入眠または睡眠維持の困難。 |
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(2) |
易刺激性または怒りの爆発。 |
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(3) |
集中困難。 |
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(4) |
過度の警戒心。 |
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(5) |
過剰な驚愕反応。 |
E. |
障害(基準B、C、およびDの症状)の持続期間が1か月以上。 |
F. |
障害は、臨床的に著しい苦痛または、社会的、職業的または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。 |
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該当すれば特定せよ。
急性:症状の持続期間が3ヶ月未満の場合。
慢性:症状の持続期間が3ヶ月以上の場合。 |
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該当すれば特定せよ。
発症遅延:症状の始まりがストレス因子から少なくとも6ヶ月の場合。 |