児童虐待ネットワークの顧問医師が、自助グループとの連絡を手配してくれた。直接には連絡がとれず、保健所の女医さんを介して、福岡SA研究会の住所を知った。私は手紙を出して、しばらくして、福岡SA研究会のCさんから返事が来た。
 その手紙を読んだ時のことは、今でもよく憶えている。「ある人の虐待経験を聞いた時は、半年以上苦しみました」。なんだ、私と同じじゃないか。
 こんなに人のことで悩み、激しい怒りを持ち、復讐心さえ持っているのは、自分が少しおかしいからと思っていたが、他の人も同じような気持ちでいることを知って、なんだ、自分がおかしいんじゃないのか。お陰で、なんだか、随分、気持ちが楽になった。
 それから、Cさんは気の毒な目に会った。それまで、私は、誰かに聞いてほしいと思いながらも、話をすれば、話を聞かされた人が気の毒だったし、私の方も、そんなことに関わって、というような視線を感じて、それ以上聞いてもらうことはやめていた。そこに、聞いてくれる人が現れたと思ったわけで、Cさんに、長いe-mailを送るようになってしまった。
 お陰で、私は、精神的に楽になったが、Cさんは、あんな文章を、頻繁に送り付けられて、怒りもせず、内心、怒っておられたかもしれないが、よく話を聞いてくれた。「サポーターズ サポート グループ」の意義が、このあたりにあるような気がする。今度は、私が聞き役に回る番だと思っている。